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ベトナム国会は19日、改正法人税法を可決した。来年1月、法人税率を現行の25%から22%に引き下げる。2015年の東南アジア諸国連合(ASEAN)経済共同体発足をにらみ、外資誘致を強める狙いだ。タイなども投資環境の整備を進めており、激しい競争が予想される。ベトナムは減速する経済立て直しが急務で、法人税率の引き下げをテコに成長を再加速したい考えだ。
改正法人税法には16年に20%まで引き下げる案も盛り込まれた。ベトナムが大幅な法人税率引き下げに踏み切ったのは、外資誘致での立ち遅れに危機感があるためだ。
ASEANは15年(一部品目は18年)に域内の関税障壁を原則撤廃する予定だ。外資企業は関税を気にせずに、域内で自由に投資先国を選べるようになる。
例えば自動車業界では18年以降、輸入にかかる関税も撤廃されるためベトナムで生産するよりもタイなどから完成車を輸入した方が安くなる。「ベトナムでの生産撤退も視野に入れている」(一部の日系自動車メーカー)との声もあり、投資流出の危機につながる。
実際に投資誘致の競合は始まっている。タイやインドネシアなどへの投資が拡大するなか、ベトナムへの外国直接投資額(新規認可ベース)は、昨年に前年比25%減の86億ドル(約8200億円)と2年連続で減少。対外開放を進めるミャンマーなども投資誘致を積極化している。
法人減税は低迷する国内経済への「カンフル剤」の役割も担っている。昨年、ベトナムの実質国内総生産(GDP)伸び率は5.03%と、13年ぶりの低水準に落ち込んだ。不動産バブルの崩壊を契機とした経済減速を脱するため、ベトナム国家銀行(中央銀行)は昨年3月以降、8回連続で利下げを実施。金融緩和策を続けているものの、効果は乏しい。
実体経済にも陰りが見え、1~5月に倒産・事業停止に陥った国内企業数は約2万3千社に上った。政府には、法人減税で地場企業の負担を軽減し、企業活動を後押しする狙いがある。国家銀を通じて総額30兆ドン(約1300億円)の低所得者向け住宅開発融資や個人向け優遇ローンも供給し、不動産市場の活性化も図っている。
ただ、経済浮揚に向けて障壁となるのが銀行の不良債権問題だ。昨年9月末時点で、銀行の貸付総額に占める不良債権の比率は8.82%に達した。貸し渋りが目立ち、企業の資金繰り悪化を招いている。
GDPの約4割を占める国営企業の改革も進まない。政府は大規模国営企業約80社にリストラ案を提出するよう求めているが、提出したのは昨年末時点で6割程度にとどまっている。
日本経済新聞より引用(2013/6/20)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1903C_Z10C13A6FF1000/
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